花宇宙の代表で世界的に有名な西畠勲造(にしはたくんぞう/Kunzo Nishihata)さんに、花宇宙の直販イベント『ドリームガーデン』でモンステラを解説していただき、動画にすることができました。
素晴らしすぎて何度も見返していますが、備忘録のためにお話いただいた内容をテキストで残しておきます。
まとめには多少の意訳が入っているので、動画を参考にされるのを推奨します。
‘ジ アース (The Earth)’
Origin:西畠勲造さんが愛知の生産者さんのモンステラを選抜した
切れ込みが浅く、丸く、少し硬い葉が特徴。
朧月(Oboroduki)
Origin:西畠勲造さんが愛知の生産者さんのモンステラを選抜した
朧月の命名は4~5年前(2022~2023年ごろ?)。
朧月の特徴は葉が変形して斑入りが現れたり、成長しても穴は開いたことがなく、切れ込みが少し深く入っただけ。しかし地植えしてもっと大きくすれば穴が開く可能性はあるとのことです。
コントーテッドホワイト
ホワイトラヴァの変形のような特徴
キング エレクトロライト
タイではエレクトロライト(ライムイエローの散り斑が特徴)のより模様と色が良いものをキングエレクトロライトと呼んでいる
ホワイトラバ(ラヴァ)
(ホワイトラバは葉が変形し中央に白が入るのが特徴)
少し時間が経過したら斑が黄色っぽくなってくる。逆斑(葉の周囲が白、中央が緑)のようになることもある
切り戻すと斑が復活する
マーベラス
白斑、黄斑、クリーム斑がでるのが特徴
霞(Kasumi)
Origin:国内実生から生まれた
葉が割れる(切れ込みが入る)けど、割れにくくて、ちょっとおわん型になる。カップケーキのように反るお椀型ではなく、クラゲのようなおわん方。
ライトイヤー
Origin:タイコンステレーションに似ているが、国内実生から生まれた
イエローモンスター
タイコンステレーションは昔『ジャンボ』と言われていた。そのころはメリクロン(組織培養)をやっていなかったからもっと斑の色が黄色かった。なのでイエローモンスターと命名した。
オーストラリアでメリクロン(組織培養)されたら斑が白くなった。
オレンジ
悪く言うと黄斑のボケ(色が薄いもの)。出所が一箇所なのかどうなのかわからない。
艶姿(Adesugata)(Yakuza)
Origin:熊本のモンステラ農家さんが作出、西畠勲造さんが命名
白斑だけではなくミントになったり黄斑になったり暴れる。
艶姿の前にインドネシアで同じ特徴を持った株が作出され、デデさん(Ruang Tanam Jakarta)がYakuza(ヤクザ)と命名した。
ホワイトティアーズ
Origin:大阪府豊中市の貸鉢屋さんがアメリカの種を実生して生まれた株を西畠勲造さんが選抜、命名した
ホワイトティアーズは綺麗に3色に交じる。緑、白斑、緑と白斑が被ったものが3つに綺麗に面的に分かれる。
今ホワイトティアーズとして流通している株は偽物が多い。
オリジナルの親木はいまでも花宇宙で地植えしているが、茎には斑が残っているものの葉に斑が残っていない
ホワイトモンスター
一番最初はホワイトモンスターを生花の材料として尺鉢サイズ(10号)を8000円〜1万円くらいで売っていた
ホワイトモンスターも急に斑が出てくる
緑の葉が出たりいろんなことが起こる
ベトシオーサ
ベトシオーサは青(斑なし)にもなるけど、また必ず戻る
ホワイトフェアリー
(ボルシギアナのホワイトタイガーやアルボのようだけど)デリシオーサとボルシギアナが混じっていると思う。
今までにない個体。(ボルシギアナと比較すると)ちょっと葉が大きくて、デリシオーサは葉の付け根が膨れるが、ホワイトフェアリーも成長すると膨れてくる
ボルシギアナ アルボ ハワイ産
15年〜20年前、初めて西畠勲造さんがハワイに行ったときにハワイ島で手に入れたボルシギアナ。ちょっと焼けにくい。
ボルシギアナもデリシオーサと同じでいろいろな個体が出る。(ボルシギアナ ?ホワイトタイガー?は)日本だけで生まれたわけじゃない。
sp. ビクトリー / コンパクタ
Origin:コンパクタは東京都の八丈島で発見された、sp. ビクトリーは西畠勲造さんが昔タイから持って帰ってきた
sp. ビクトリーを育てていたら茎が立ち上がった。昔は曲げて生け花の材料にしていた。
はじめはビクトリーとコンパクタは別物だと考えていたが、よく似ている。ビクトリーのほうがやや小型だと思う。
マクロコズム
成長中はコンパクタやビクトリーに似ている。葉がコンパクタのように硬くないかもしれない。
葉の中央脈あたりに細かい穴が空く。
ギャラクシー K-1
コンパクタやマクロコズムよりも穴が葉の左右に広がる。
成長に伴い穴のサイズが変化(大きい穴➔細かい穴)し、左右に広がる
福助
福助は最初は小型のデリシオーサだと思っていた。植えてたら普通(のデリシオーサ)に戻った。
福助と言う名前はやめた方がいいという話になってきて、福助の存在は無くした方がいいという話になったし、くんぞうさん自身もそう思った。
だけど、花宇宙には福助の斑入りがある。
ちょっと小型には違いないけど、福助の存在はややこしい。
天の川
(左右のそれぞれの葉が似るので)これ(特徴のある葉)ばっかり続いたら最高。
もう少ししたらぶった切る。
オセアナ(オーシャン) サンダーボルト
オセアナ・サンダーボルトはピンキリ。
サンダーボルトは成長早い。天の川よりもサンダーボルトのほうが成長が早い。
花宇宙に来てからもう2枚葉が出た。
サンダーボルトと言われている中ではこの個体は凄く良い。
聞いた話だけどオセアナサンダーボルトはアメリカから生まれたという話だが、(諸説)いろいろある。
その他のエピソード
- 実生から生まれてなにかしたの特徴が出ているモンステラを選抜しても、特徴が良いものは1割もでない。あとは元に戻ってしまう。
- 世界中で実生していて、色々な国からいろいろなものが現れても、何の不思議もない。
- 種子やメリクロンに薬を与えたり放射線をあてたりして、より変異のあるものをつくっているはず。
- 継続する株にしか命名していない。命名後に変になったらボツにしている。2~3回カットして見極めている。
- 観葉植物の遺伝子の組み換えによりありえない植物がでてくる可能性がある。それがおもしろいのかおもしろくないのか。そうなったら、もう植物やっている楽しみがない。
コメント