高価なモンステラなどを安価で手に入れることができる組織培養株。いろんな呼び方があったり、小さかったり瓶に入っていたり、私が最初に組織培養株を買うときは不安でいっぱいでした。
そんな組織培養株についてご紹介します。
モンステラなどの組織培養株について動画で語りました
モンステラ・デリシオーサ ‘タイコンステレーション クリームブリュレ’を順化しながら、組織培養株について語りました。
組織培養株(Tissu culture)、メリクロンとは
植物の組織を無菌状態の培地で培養し、苗木を増やす技術です。植物の一部を密閉された容器内で専用の培地(寒天)に入れておくと細胞分裂し、元株と同じ特徴を持つ植物を増殖できるクローン技術です。
種による増殖では子という扱いになってしまい特徴が変化してしまいますが(モンステラの斑は継承されれないっぽい)、組織培養だとカットした株を増やしたのと同様に、親株を同じ性質を引き継ぎやすいのも特徴です。
組織培養株(Tissu culture)、メリクロンの違いはあるの?
メリクロンはmeri(meristem=分裂組織)とclone(栄養繁殖系)を組み合わせた合成語で成長点から培養することで、組織培養は成長点以外で培養するものも含まれるようです。
組織培養株、メリクロンの違い
メリクロンはmeri(meristem=分裂組織)とclone(栄養繁殖系)を組み合わせた合成語で成長点から培養することで、組織培養は成長点以外で培養するものも含まれるようです。
モンステラは茎をカットして培養するみたいなので、組織培養株が正解かもしれません。
組織培養株(Tissu culture)、メリクロンのメリット
- 品質差のない同質の苗を大量に生産することができる
- 短期間で大量に生産することができる
というのが一般的な解釈ですが、モンステラやフィロデンドロン、アンスリウム、アガベなどでは、
- 希少な株を大量に増殖できるので安く手に入れることができる機会が増える
- 元株は綺麗な株が選ばえる可能性が高いので、綺麗な株を入手しやすくなる(かも)
というのが個人的には大きいです。デメリットでもありますが・・・。
組織培養株(Tissu culture)、メリクロンのデメリット
技術的なデメリットはわからないので、一般的なデメリットとして、
- 市場価格が崩壊してしまう
- 組織培養をきちんとはじめるにはそれなりの設備が必要
とくに組織培養株される株=高価な株が大量に出回ることで市場価格が大幅に下がります。なので、もともとその株を高額で購入した方、植物を販売している方の中には組織培養株を嫌う人が多い気がします。
組織培養株(Tissu culture)、メリクロンはきちんと育つの?
いま複数株を育てていますが問題なく育っています。
瓶などの密閉容器から出すときに順化という作業が必要になりますが、それが終わると通常の植物を同じように育てていますがとくに変わりはありません。
我が家で育てている組織培養株はこちらです。
順化から自分で行った組織培養株
- モンステラ・デリシオーサ ‘ミント’
- モンステラ・デリシオーサ ‘オーシャンミント’
- フィロデンドロン・フロリダビューティー
- モンステラ・デリシオーサ ‘オーレア’×2(没収)
- モンステラ・デリシオーサ ‘アルボ’×2(没収)
順化済みでお迎えしたの組織培養
- モンステラ・デリシオーサ ‘イエローモンスター(タイコンステレーション)’×2
- モンステラ・バールマルクスフレイム
順化作業ってなに?難しいの?
瓶や密閉容器に入って無菌状態で寒天で育てられている植物を、一般の環境で育てるように慣らす作業が順化と呼ばれています。
簡単にいうと、
- 寒天を丁寧に落とす
- 徐々に湿度を慣らしていく
だけです。
順化作業については以下の動画をご覧ください
組織培養株(Tissu culture)、メリクロンの可能性
組織培養株(Tissu culture)、メリクロンは組織培養時に手を加えることで、植物を変異させることができます。一例として、
- 遺伝子組換え:目的とする形態変化や性質(育種目標)を付加するために、その形態や性質を持つ他の生物の遺伝子を導入します。
- 突然変異誘発:人為的に突然変異を誘発し、その中から育種目標に合った個体を選び出します。
なかでも突然変異誘発というのが面白く、モンステラでは組織培養時(タイミングは不明)にEMS(たぶんエチルメタンスルホン酸)を添加することで50%の確率で変異、50%の確率でダメになってしまうとのことです。
そこから生まれた突然変異のモンステラが少しずつ市場に出てきており、いままでにないモンステラがでてきています。安定させることができれば流通されるかもしれません。
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