観葉植物の育成に必要な環境要素は、光、水、温度、風、湿度。まぁ、土や土壌も大事だけど……。
植物には光が必要ということで、我がオオトラ家では急ピッチで植物が増えた結果、「場所と光をどうする問題」が発生。現在は、窓際、植物育成用ライト、通常のLEDライトなどを活用して育てています。
室内温室では、植物育成用パネルライト、通常のLEDバーライト、通常のLEDライトと、バラバラな環境で試行中。様子を見ながら調整している段階です。
ライトや明るさをしっかり整備したいと思っていたのですが、
結局、観葉植物を育てるにはどれくらいの明るさが必要なの?
という疑問が出てきました。
観葉植物をお迎えし、育て方を調べていると、
- 日光が好きだからよく太陽にあててあげてね。ただ日焼け注意ね
- 半日陰が良いよ
- レースカーテン越しの明るさ
- 耐陰性は高いけど明るい場所
などなど、よくわからないんですよね。笑
レースカーテン越しとはいえ、家の場所やエリア、方角、季節、天気によって光の強さは大きく変わります。
さらに細かく言えば、モスポールに活着し、湿度80%ほどの温室で適切な肥料と水分を与えられている斑入りモンステラと、湿度40%で伸び放題、乾燥気味のモンステラでは、葉焼けのしやすさも大きく異なるはずです。
ということで調べてみたところ、なんと我が国の農林水産省が一覧でまとめてくれていました。PDFだったけど……。
ということで、私が育てている観葉植物を一部抜粋してみました。
ちなみに、植物の育成環境はlux(ルクス)だけでは正確に測れませんが、十分参考にはなると思います。
モンステラやポトスなど主な観葉植物育成に必要な明るさ、温度、耐乾性、耐湿性など
- 最低照度係数:生育に最低限必要
- 飽和照度係数:これ以上の光では生育に変化が無い
- 最低生育温度:以下の温度では生育できない
- 耐乾性・耐湿性:特に強い○、特に弱い×
- 最大寸法:その種の最大寸法
最低照度、飽和照度は10時間で考えているようです。
植物名 | 最低照度 | 飽和照度 | 最低生育温度 | 耐乾性 | 耐湿性 | 最大サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|
アグラオネマ | 500 | 10,000 | 10℃ | ✕ | 1m | |
サンセベリア | 500 | 20,000 | 5℃ | ◯ | ✕ | 1m |
ビカクシダ | 500 | 15,000 | 0℃ | ✕ | ✕ | 1.5m |
ポトス | 500 | 25,000 | 5℃ | ◯ | ◯ | 20m |
モンステラ | 500 | 10,000 | 0℃ | ◯ | 3m | |
カラテア・マコヤナ | 1,000 | 10,000 | 5℃ | ✕ | 0.7m | |
クワズイモ | 1,000 | 8,000 | 0℃ | 2m | ||
ザミオクルカス | 1,000 | 15,000 | 5℃ | ◯ | ✕ | 0.8m |
フィカス・アルテシマ フィカス・ベンガレンシス | 1,000 | 25,000 | 5℃ | ✕ | 10m | |
フィカス・ウンベラータ | 2,000 | 25,000 | 5℃ | ✕ | 10m | |
フィロデンドロン・ピンク・プリンセス | 1,000 | 10,000 | 5℃ | 0.5m | ||
ガジュマル | 2,000 | 25,000 | 0℃ | ✕ | 20m | |
ネオレゲリア | 2,000 | 15,000 | 2℃ | 0.5m | ||
エアプランツ類(チランジア類) | 3,000 | 15,000 | 2℃ | ✕ | 0.5m | |
フィロデンドロン・シルバーメタル | 500 | 10,000 | 0℃ | ◯ | 1m |
いろいろびっくりしました。
意外だったのは、植物の飽和照度が意外と低いこと。塊根植物などを植物育成用LEDライトでガンガン照射して育てているのをよく見かけますが、すでに飽和しているのでは?と思うこともあります。
ちなみに、うちの安価なパネル型ライト(BRIM(ブリム)PANEL A 植物育成ライト LEDパネル)でも、直下15cmほどの距離で約48,000luxあります。パネル型ライトは電球型に比べて照度は低めですが、そのぶん広範囲を照らせるのが特徴です。
屋外で育てられるフィカスの飽和照度が約25,000luxなのを考えると、植物によっては意外とそこまで強い光を必要としないことがわかります。ちなみに、夏の直射日光は約100,000lux。一般的な光の強さについては、後ほど詳しく説明します。
アグラオネマやモンステラは、最高10,000lux、最低500luxでも育つらしく、かなり暗い環境でも大丈夫なようです。
クワズイモは1,000〜8,000luxと、意外と光の要求量に幅があって気難しいタイプ。笑
カラテア・マコヤナは意外にも耐湿性が低い。(カラテアは高湿度が好ましいと思っていたので驚きました。)
種類にもよると思いますが、ポトスやビカクシダは適応範囲が広め。
また、屋外で育つ植物でも25,000luxあれば十分という感じですね。
「ビカクシダに植物育成用ライトを照らしてます!」という環境を見て違和感があったのですが、壁一面にビカクシダが配置されている場合、壁の上と下では照度が大きく変わるはずなんですよね。(ライトの直下は数万lux、壁の下の方は1,000lux未満になるはず。)
「どうなってるの?」と思っていたのですが、ビカクシダはそこまで強い照度が必要というより、光を当てることで胞子葉の方向を整えることが重要だったのかもしれません。実際のところはよくわかりませんが…。
ちなみに、アデニウムやパキポディウム、オペルクリカリアなどの塊根植物やアガベのデータは載っていなかったような気がします。もしかしたらあったかもしれませんが…。
観葉植物の耐乾性と耐湿性
耐乾性と耐湿性のデータは、すごく参考になりました。
ザミオクルカスの耐湿性が低いと知って、慌てて葉挿しの斑入りザミオクルカスを温室から出しました(笑)。
ポトスは耐乾性・耐湿性ともに高いですね。ちなみに、スキンダプサスはエピプレムナムと近いらしいですが、本当に近いのかな? ポトスの正式名称はエピプレムナム・オウレウムだから、そのあたりの分類も気になるところです。
「外でも育つ系=湿度に弱い」というのは納得。逆に、湿度に強いのはやっぱりサトイモ科(アロイド)のポトス、モンステラ、フィロデンドロン。ただ、なぜかフィロデンドロン・ピンクバタフライは耐湿性が◎ではなかったのが気になります。
ビカクシダの耐乾性が低いというのも意外でした。うちではわりと乾燥ぎみに育てていますが…。マダガスカリエンセやグランデなどは湿度が必要っぽいですね。
葉っぱが分厚い=耐湿性が高いというのは、大まかに見ても正しい傾向のようです。
この耐乾性と耐湿性の指標は、育て方のガイドにしっかり記載してほしいですね。今後、このシロウト園芸でも追記していこうと思います。
一般的な明るさの目安
我がオオトラ家では、マンション住まいで、Amazonで購入した安価な照度計を使って明るさを測定しています。
実際に測ってみると、ベランダから少し入ったところにある掃き出し窓と、比較的ベランダが小さい場所の掃き出し窓では、照度に大きな差がありました。
もちろん、方角によっても明るさは異なります。
意外と明るかったり、体感と違っていたりすることもあり、実際に測定してみるのは大事だと感じました。
ちなみに参考までに夕方の照度、今日5月3日16時半最高気温22℃の晴れの日で、カーテンなしで
- 北側窓際(ベランダあり):5,500lux
- 東窓際(大きな屋根付きベランダあり):2500lux
- 東窓際(ベランダあり)4,000lux
でした。もちろん全て直射日光なし。
北側が意外と高かったですね。
ちなみに別記事でも参考にさせていただいたのが以下。
【一般的な照度(おおよそ) 】
夏の直射日光 100000ルクス
※半日陰とは、50%遮光程度のことを指し実は明るい。また、半日陰でも大丈夫と書かれているケースは、基本的には日光を好む植物に必要照度上限 30000ルクス
※葉焼け危険レベル冬の晴天 20000〜50000ルクス
植物の成長目安 15000〜30000ルクス
※主な植物が最低元必要なのは500〜2000ルクス晴天日の標準的な室内 500〜1000ルクス
パチンコ店内 1000ルクス
明るいスーパーやホームセンター店内 500ルクス
※LEDライト等を照射しないと多くの植物に害が起こる耐陰性植物の生育限界 300ルクス
暗い日陰(落ち着いたレストラン等) 200ルクス
夜間の玄関の明るさ 100ルクス
https://greensnap.jp/greenBlog/5771859
【明るい日陰とは?】
明るい日陰とは、多くの場合戸外の日陰のことを指す。しかし実際はレースのカーテン越しの光2000〜5000ルクス程度と考えて良い。直射日光を浴びると葉が焼けてしまう植物や、日陰でも育つ植物を植え付けるとよい。半日陰(上記参照)とはまったく異なる概念であることに注意したい。【直射日光について】
https://greensnap.jp/greenBlog/5771859
直射日光には基本的に1日3時間、せいぜい5時間当たれば十分だと言われている。しかし、同じ植物であっても上の葉よりも下の葉の方が当然ながら当たる照度は少ない。そういったこと等もしっかり考慮し、管理する必要がある。
室内温室のLEDライトごとの照度

室内温室には現在、3つのLEDライトを使用しています。
- 上段は「BRIM(ブリム)PANEL A 植物育成ライト LEDパネル」
- 中段は「オーム電機のLEDイーブライトスリムライトバー」
- 下段は「ただのLED電球100W相当昼白色」
※のちに変更して、すべて「BRIM(ブリム)PANEL A 植物育成ライト LEDパネル」にしました。
これらを使い分けて、植物の育成環境を整えています。
オーム電機 LEDイーブライトスリムライトバー本体 900mm 昼光色
それぞれの照明の照度を10cm20cm30cmで計測してみました。
BRIM LED パネル(45w) | LEDスリムライトバー(12w) | LED電球100w(12w?) | |
---|---|---|---|
10cm | 50,000lux | 4,600lux | 7,000lux |
20cm | 28,000lux | 3,000lux | 3,800lux |
30cm | 9,000lux | 2,000lux | 2,400lux |
棚の大きさ的に、30cmあればだいたい光は届きます。ただし、LED電球は真下近くで測定したので、距離が遠くなると光がかなり落ちると思います。
私が育てている観葉植物はアロイド系が多いため、BRIM LED パネルほどの光は必要なく、LEDスリムライトバーより少し光が欲しいという感じで、必要十分な明るさを確保できていると思います。
意外にも、LED電球が良い結果をもたらしていますが、範囲が狭いという難点があるのも事実です。
現在、下段のLED電球を見直し中ですが、スリムライトバーが良い選択だと感じてきました。理想は20Wくらいで、ライトバー並みの広さを持ち、もっと明るいものがあるといいですね。
【2024年5月9日追記】
下段のLED電球をオーム電機のLEDエコスリムチューブライトに変更しました。
中段のLEDスリムバーよりも照度が高く、消費電力も大きく(12w→20w)なりました。
BRIM LED パネル(45w) | LEDスリムライトバー(12w) | LEDエコスリム(20w) | |
---|---|---|---|
10cm | 50,000lux | 4,600lux | 10,000lux |
20cm | 28,000lux | 3,000lux | 6,000lux |
30cm | 9,000lux | 2,000lux | 3,000lux |
12wのLEDライトバーと比較すると、かなり明るくなりますね!これくらいが良いです。中段も変えたくなってきた・・・汗
植物と光の関係

このあたりはまだ詳しく調べきれていませんが、植物は温度、湿度、そして健康状態によって耐えられる光の強さが変わるようです。
また、一般的に植物は光が強くなると葉を厚くするとも聞きました。
私が育てている斑入りモンステラの場合でも、強い光だと葉焼けするという意見もありますが、海外のInstagramの方は強い光が必要だと述べていました。
モンステラに限らず、植物の斑入り部分は葉焼けしやすいとされており、強い光に注意するように言われていることが多いです。しかし、強い光に当たることで葉が厚くなり、傷みにくくなる可能性もあるのではないかと考えています。
実際に、斑が痛みやすいモンステラ・デリシオーサ var. ボルシギアナ ‘オーレア’(黄斑)の小苗を屋外の直射日光環境で育てていた際、光による痛みはほぼありませんでした。
この点については今後、さらに検証していきたいと考えています。
もっと詳しく植物と光の関係を知りたい方は
植物育成ライトの開発にも関わっていらっしゃるピクタさんの動画がとても参考になったのでご紹介しておきます。
モンステラやポトスなど観葉植物育成に必要な明るさ、湿度、乾燥まとめ
- 観葉植物にはそれぞれ最低照度、飽和照度が存在する
- 湿度に強い弱い、乾燥に強い弱い植物がいる
- 観葉植物に過剰な光は必要ない
- 観葉植物は意外と弱い光でも育つ
- 光は目視で判断するのは難しいので、測ったほうが良い
観葉植物の育成、置き場所や育て方の参考になれば嬉しいです。というか初心者の私にはとても参考になりました。
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