私が観葉植物にハマってからどハマリしているモンステラ。モンステラは世界中で人気の観葉植物ですよね。
一般的にモンステラと言われてイメージする葉が割れるモンステラで多く流通しているものには2種類あり、モンステラ・デリシオーサとモンステラ・ボルシギアナ(モンステラ・デリシオーサ var. ボルシギアナ)があります。
斑入りのモンステラでは同じ白い斑が入るモンステラでも、デリシオーサの白斑入りはホワイトモンスターと呼ばれ、ボルシギアナの白斑入りはホワイトタイガーと言われています。
そして白斑のモンステラでも、ホワイトモンスターとホワイトタイガーでは値段が大きく(数倍)変わります。
困ったことにメルカリなどのフリマアプリ、ヤフオクなどのオークションで多くのホワイトモンスターやホワイトタイガーが売られていますが、あきらかにホワイトタイガーのものがホワイトモンスターと売られているケースが少なくありません。高価なほうのホワイトモンスターが安価なほうのホワイトタイガーとして売られているケースは少ないのが闇が深いです。笑
私は騙されたことがあるので、デリシオーサとボルシギアナの違い、見極め方を国内外の情報をめちゃくちゃ調べました。
ということで、この記事ではデリシオーサとボルシギアナの違いと見分け方をご紹介します。
突然ですがデリシオーサとボルシギアナの違い、見分け方は存在しません
結論から書いてしまうと、モンステラのデリシオーサとボルシギアナの違い、見分け方については世界中で論争が続いており、論争が続くということは、見分けること、分類することが非常に難しいということになります。
なので、ひとつだけわかっていることは2024年時点で「デリシオーサとボルシギアナの違い」を言い切っている人は、嘘つきかいい加減な人なのか、調べていない人だということだけです。笑
ただし、一般的にデリシオーサとボルシギアナと言われるものには違いがあります。
ややこしくさせているのは、生育環境によってデリシオーサっぽいボルシギアナ、ボルシギアナっぽいデリシオーサがでてきてしまうことです。
またボルシギアナは「モンステラ・デリシオーサ var. ボルシギアナ」と書かれることが多いですが、「モンステラ・デリシオーサ f. ボルシギアナ」と書くべきだという方もいます。
var. = 変種なのか、f. = 一種なのか。
ややこしいですよね。変種と一種の違いについてはややこしいので下でまとめておきます。
デリシオーサとボルシギアナにどこまでの違いがあるのかは不明ですが、違いが曖昧ということを理解したうえで以下のデリシオーサとボルシギアナの違いについて理解するのが良いと思います。
デリシオーサとボルシギアナの違い、見分け方
一般的にいわれているデリシオーサとボルシギアナの違い、見分け方についてまとめました。私が違いが大きいと思う順番にご紹介しています。
こちら動画は外国の掲示板で紹介されていた屋外植え?自然環境に近い状態のモンステラ・デリシオーサとボルシギアナです。
モンステラ・デリシオーサとボルシギアナは節間の長さ、茎の太さが違う
この上の写真はほぼ同じサイズのデリシオーサ(右)とボルシギアナ(左)です。
私がヤフオクやメルカリでデリシオーサかボルシギアナを見極めるときに一番見ているのは節間の広さ。節間とは節と節の間部分。
写真右、デリシオーサの節間は短く、詰まっています。写真左、ボルシギアナの節間は長いです。
茎の太さも、デリシオーサは太く、ボルシギアナはデリシオーサと比較して細いです。
ただし、この写真の右側のデリシオーサは変異株なので少し節間が通常よりも狭い気がします。コンパクタと言われる矮性種にはこの節間がとても短く、葉が小さく、成長が遅いです。
また、この見分け方をややこしくしている原因があり、モンステラの節間は徒長(間延び?)すると広くなります。モンステラは主に光が少ないと徒長します。
また、このデリシオーサは実生で種から育った子なので根が充実しています。ボルシギアナは増殖株なので根が比較的少ないという差異もあります。
ボルシギアナは斑入りが多く、斑入りは人気があるので増殖された子が多く、そのため茎が細くなってしまっている可能性もあります。
モンステラ・デリシオーサとボルシギアナは葉の大きさ、葉の形が違う
モンステラ・デリシオーサとボルシギアナの葉の違いです。
まず、モンステラの葉の形については以下のインスタでご紹介されていた画像がわかりやすいです。
左側ボルシギアナは耳(葉の上部)が少なめ、楕円形に近い。これは私の育てているいくつかのボルシギアナの特徴とも合致します。さらに切れ込みは葉柄側は幅が狭く、葉先に近づくにつれて幅が広くなる。
右側のデリシオーサは耳が高め、円形に近い。切れ込みは全体的に等しく狭い。
切れ込みの違いについては、この画像からわかることで、私のボルシギアナはあまり葉が割れていないのでわからないです。。涙
葉の大きさはデリシオーサが1m以上、ボルシギアナは50cm程度と言われています。ただ1mを超えるようなボルシギアナを販売している方もいました。そのボルシギアナがデリシオーサだったのか、ボルシギアナがデリシオーサ化したのかはわかりません。
また、中央脈近くに空く穴も、デリシオーサは2列以上、ボルシギアナは1列という説もありますが、違う気がしています。
モンステラ・デリシオーサは葉と葉柄の付け根にフリルができる
モンステラ・デリシオーサには葉柄(茎)と葉の付け根にフリルと呼ばれるシワができます。フリルは葉のサイズが大きくなってからで、私のモンステラ・デリシオーサでは高さ25cmの葉にはフリルがあるかどうか、40cmの葉には立派なフリルがありました。
以下、匿名さんからコメントでいただいたので引用してご紹介しておきます。
ポトスが巨大化して葉にモンステラのような切れ込みが入ることを考えるとボルシギアナが巨大化して葉の付け根にフリルが付いてもおかしくないと考えています
https://www.youtube.com/watch?v=2A5s_x-iZiI
また芽が出てすぐはボルシギアナでもロゼット状に展開していくことがあるので節の間隔で判断するのも危険です
葉っぱが円形か楕円形か、茎に細かい疣があるかどうかで見分けるしかなさそうです(つまりある程度成熟しないと判断不可能)
デリシオーサとボルシギアナの違い、見分け方のその他の説
デリシオーサとボルシギアナは成長速度が違う?
デリシオーサと比較して、ボルシギアナは成長が早いと言われています。茎が細く、葉が小さいので成長が早いかもしれません。
ボルシギアナは実(フルーツ)ができない?
実は私はボルシギアナは実ができないと思っていたのですが、上でご紹介したYouTubeでは実ができています。デリシオーサよりは小さい実です。ちなみにモンステラの実は結構美味しいらしいです。
斑入りモンステラなどのデリシオーサとボルシギアナの呼び方の違い
斑入りのモンステラ分類、名称についての詳細は以下の記事を参考に。
斑入りモンステラの有名どころだけを表にまとめたらこんな感じ。
デリシオーサ | ボルシギアナ | |
---|---|---|
白斑 | ホワイトモンスター | ホワイトタイガー |
黄色斑 | イエローマリリン | オーレア |
クリーム色斑 | イエローモンスター タイコンステレーション |
一般的にデリシオーサ系のほうが高価で販売されています。
デリシオーサ系のほうが高価なのは、ボルシギアナのほうが成長が早いから、ボルシギアナの節間が長く増殖しやすいからなどの理由をみたことがあります。
種名?品種名?植物の命名ルール
植物の命名ルールはややこしいです。。ざっくり調べてまとめておきます。
植物には学名があり、学名は、国際植物命名規約(International Code of Botanical Nomenclature)にそって名付けされます。18世紀にスウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネさんが考えたそうです。
ただ、学名も少しややこしいのは新種が増えたり研究が進んで、学名が変更される場合があります。
そのあたりをざっくりとご紹介します。
属の変更はポトスが有名ですが、日本で売られている一般的なポトスはポトス属からエピプレムナム属オーレアムに変更されました。なぜ黄金の意味のオーレアムかと思っていたら、ゴールデンポトスが原種で、一般的なポトスはそこから派生したものって説を見て、なるほどと思いましたが真偽不明です。
まぁ簡単にいうと、植物の名称にはルールがあって並び方があるってことですね。デリシオーサ・モンステラではなく、モンステラ・デリシオーサという並び方じゃないとダメってこと。
そして学名はラテン語で、ラテン語の理由はラテン語が学問言語としてヨーロッパで広く使われていたため。
最初に「属名 種小名」の順に並び、属名の頭文字は大文字にそれ以外は小文字の表記になっていて、正式にはともに斜体(イタリック)で書くルールがあるそうです。
というのが前置きで、命名ルールは別記事ででもきちんとまとめようかと思います。それくらいややこしいし細かいです。笑
要するに、植物名についている var. とかf.、sp.などには意味と順番があり、その順番が前であればあるほど差が大きく、後になるほど差が小さいという理解で良さげです。
モンステラ・ボルシギアナホワイトタイガーの場合、サトイモ科という分類のあと、
Monstera(属名) deliciosa(種小名) var. borsigiana(変種名) f.Albo variegata(品種名)
Monstera(属名) deliciosa(種小名) f. borsigiana(品種名) ‘Albo-variegata’ f.albo(品種名)
って感じですかね。属名と種小名を合わせて「種名」と呼ぶそうです。
モンステラで使われるものとして、
- var. (varietas/varietyの略):変種名 :同じ種類だけど形質がちょっと違うもの。
- f.(formaの略): 品種名:基本種と差がある突然変異として現れるもの
- ”でくくる:個体名:特定の個体を指すとき使われる名前
上から順番に変化の大きさを表すそうです。
というさらに前置きがあって、
ボルシギアナは、以下のどちらなの?という論争まであります。
- Monstera(属名) deliciosa(種小名) var. borsigiana(変種名) f.Albo variegata(品種名)
- Monstera(属名) deliciosa(種小名) f. borsigiana(品種名) ‘Albo-variegata’ f.albo(品種名)
albo variegata部分はハイフンがあったりなかったりするそうで統一されていないのかな。
まぁとにかくモンステラ・ボルシギアナはモンステラ・デリシオーサの変種なのか品種なのかも不確定ということです。
それ以上調べると頭がパンクするのでこれくらいで。。。
それでもモンステラのデリシオーサとボルシギアナは違う
植物には個体差もあるし、生息地によっても差がでます。
モンステラ・デリシオーサとボルシギアナが植物学による分類が違おうが同じであろうが、一般的に流通しているデリシオーサとボルシギアナは違いがあります。もちろんデリシオーサっぽいボルシギアナもあるし、ボルシギアナっぽいデリシオーサもあります。
なので、
- デリシオーサとして売られているものは、節間が短く、がっちりと大きく育つ
- ボルシギアナとして売られているものは、節間が長く、ひょろっと伸び、早く成長して、そこまで大きくならない
という理解をしたうえで、間違って購入しない(出品しない)、自分にあったモンステラを入手できる人が増えれば良いなと思います。
ちなみに私はデリシオーサとして売られているものが好きです。
コメント
コメント一覧 (2件)
ポトスが巨大化して葉にモンステラのような切れ込みが入ることを考えるとボルシギアナが巨大化して葉の付け根にフリルが付いてもおかしくないと考えています
https://www.youtube.com/watch?v=2A5s_x-iZiI
また芽が出てすぐはボルシギアナでもロゼット状に展開していくことがあるので節の間隔で判断するのも危険です
葉っぱが円形か楕円形か、茎に細かい疣があるかどうかで見分けるしかなさそうです(つまりある程度成熟しないと判断不可能)
ちなみに私は斑が綺麗に入りやすいボルシギアナの方が好きです
トライポフォビアではないのですが巨大化したデリシオーサの葉の穴が多くて苦手です
貴重なご意見ありがとうございます。
このポトスやばいですね
ポトスは大きくなると切れ込みが入ると聞いていましたが、こんなに切れ込みが入ると思っていませんでした
小さい状態で判別するのは相当むずかしいですよね
だからボルシギアナとデリシオーサで世界中で揉めるんですよね笑
葉の穴が苦手な方もいるんですね
たしかにボルシギアナも人気が根強いですし、どっちが人気あるんでしょうね
一部、本文に引用してご紹介させていただきますね